シックな感覚というのは、品よくきめるファッションに欠かせない要素です。でも、太陽の国イタリアは、誰もが認める明るい国民性。いつもいつもシックなおしゃれをしているわけではありません。街を、そして小さな村を歩いていると、時々、とんでもない格好で歩いている人たちを見かけます。「カーニバルでもあるまいし……」と、そんな言葉すら出てきそうな服装にお目にかかることだって少なくないのです。日本でならエンターテインメントの世界でしかお目にかかれないようなショッキングピンクのブラウスに真っ白なミニスカート、シシリー産オレンジをもっと赤くしたような紺色セーターにトルコブルーのパンタロンーなどなど、例を挙げだしたらきりがないほど。かつて観光客として目にしたときは、「派手」または「下品」とすら感じたものでした。だいたい、オレンジ色なんて、服に合うカラーではない、と確信していた私。リゾート地でのウェアならともかく、普段着や外出着としてはまったくもってふさわしくない、あんな色を着る人の気が知れない、と。その私が、実は今やオレンジ党。何枚かのニット、パンタロンを持っているし、オレンジを配した柄物ジャケットもあります。何人も、変われば変わるもの。日本の友人に話すと、気候のせいではないか、ということ。明るい太陽に恵まれた南欧のイタリアだからこそ、オレンジのような眩しい色でもピッタリくるのよ、とのことでした。確かにこの説には一理あり。