コンサバでも、アヴァンギャルドでもない。そういうことはもうどうでもよかった。要は夫と釣り合う服ということだ。私たちが二人で作る家庭にふさわしい服。それが、これからおしゃれのテーマになるのだ。今まで持っていた服もそんな気持ちで着ると、いつになく落ち着いた心地好さに感じられた。実をいうと、知り合ったばかりの頃、私は彼に気に入られようとして思い切りプリプリした服をよく着ていた。夫とは人の紹介で知り合った。いわばカジュアルなお見合いのような形だった。その当日、めったに着たことがないような、白地に細くブルーのストライプの入ったローウェストのワンピースを選んだ。靴は白と明るい黄色のコンビになったローヒールで、お揃いの小さなバッグを持った。デートをするようになってからは、きれいな色の服が着たくなった。母にバックサテンの淡いブルーの生地で、サーキュラースカートを縫ってもらい、白い開襟シャツと組みあわせて着た。いつか見た「ローマの休日」のワンシーンが頭の中にあった。