古代の人々は遥かな昔から美容外科医療(整形・エステ)を行っていた美容外科医療(整形・エステ)の歴史は思いのほか古く、紀元前の古代エジプト時代から歴史上に残されているらしい。5000年以上前、クレオパトラが実在したころにすでに。金の糸療法が行われていた。それは今から30年前にエジプト王族の棺の中のミイラに金の糸が巻き付いているのが発見されたことで証明された。この発見を発端として、10年程前、フランス人医師コークス氏が金の糸を皮下に埋め込むと、皮膚が活性化し、美肌効果があることを発表した。このような治療は太古の昔から行われていたのだ。「歴史ぱくり返す」とはまさにこのことであろう。クレオパトラが39歳で他界したとき、その肌は15歳の美しさだったと言われている。もしかすると、クレオパトラも金の糸療法を受けていたのかもしれない。そのころの医療では、ガンなどの病気に対して、病巣を取り出す外科手術も行われていたらしい。しかし、これらの治療に対して行われるお腹を切る(開腹)手術は、結果的に寿命を縮めるとして、あまりよい評価を受けなかったらしい。それに対して、美容外科のように実質器官(最初から表面に出ている顔、手足など)に対する治療は高い評価を受け、積極的に行われていた。現代医療も10年くらい前までは、大規模な外科手術が積極的に行われていたが、最近になってその切開による損傷がただならぬものであることが証明された。そこで、内視鏡などを用いた傷の少ない外科治療に取って変わられつつある。古代の人々は現代人が最近になって気がついた人体の常識について、遥かな昔から知っていたのである。美容外科医療(整形・エステ)の目的は「別人」になることではない美容外科医療の分野でも、最近になって。メスを使わない、切らない治療が主体となってきている。ついこの前まで、美容外科とはいわゆる。美容整形と呼ばれる、変身(別人のような容姿になること)をもたらす医療の印象が強かった。たしかに時効寸前で逮捕された殺人事件犯罪者、福田和子のように、犯罪から逃れるために整形をしたりするマイナスのイメージも少なからず、この医療につきまとっていたせいもあろう。私も以前のクリニックに勤めていたころ、駆け込むようにやってきた一人の女性を担当したことがある。「目を二重にして、鼻を高くして、あごのラインを整えて、顔のしわを全部取ってくれ」というのである。しかも、「お金は全て現金で用意してあるから」といわれ、どうしたものかと思ったが、院長に相談し、一緒に治療を行った。治療は無事終了し、落ち着いたころに、その患者さんにもう少し詳しく話を尋ねてみた。「実は私、ある男性を信じて、一緒に暮らしていたのですが、その男性が浮気をしていたのです。それを知った瞬間、気が動転してどうして良いかわからなくなったのです」と答えた。「そうだったんですか。辛かったでしょう」その途端、その患者さんは泣き出してしまった。「それで私、命を捨てようと覚悟を決めたんです」私は黙って話を聞いた。患者さんは続けて、「でも、どうしても命を捨てる勇気がでなくて、どうして良いか悩んでいるうちに、美容整形をして自分を変えることにしたんです」それで、ありったけの貯金を引き出して、クリニックに駆け込んできた、ということらしかった。このように、何かをきっかけに衝動的に整形を行う患者さんも、つい最近までなくはなかったのである。しかし、このような患者さんは稀れであるにも関わらず、社会的に影響力があるせいか、美容外科医療(整形・エステ)に対する特殊なイメージが染み付いてしまう。テレビなどのマスコミの影響も甚大である。容姿に対するコンプレックスを全面的に解消するために美容治療が行われ、その前後の差に唖然とさせられるが、実際は化粧や写真の撮り方でかなり誇張されている。テレビは視聴率を稼ぐために、その患者さんの個人的背景や人間関係も含めて興味本位の内容に仕立て上げる。このような影響のせいか、美容外科医療(整形・エステ)は一般的に見ると奇異な感じに捉えられてきたと思われる。