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「自分探し」より「自分作り」

ちょっと突飛な例になりますが、私がプロのサッカー選手になろうと思ったとしましょう。そのとき、「自分はなぜサッカーが好きなのだろうか」「これまでどれだけの熱意を持って、サッカーに打ち込んできただろうか」「自分という人間にとって、サッカーはどんな意味を持っているのだろうか」などといくら考えても、サッカー選手にはなれません。プロサッカー選手になれるかどうかを決めるのは、プロになるだけの技量を持っているかどうか、そして、プロとして生きていくために必要なメンタルの強さを持っているかどうか、それだけです。

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浦和レッズ(もちろんバルセロナでもアーセナルでもマンチェスター・ユナイテッドでもかまいませんが)のクラブハウスを訪ねて、「自分はこんなにサッカーが好きなんです」「頑張る気持ちは誰にも負けません」といくらアピールしても、契約はしてもらえません。誰よりも頑張れるのなら、頑張って練習して、うまくなってから来てください、と言われるだけです。「サッカーが好きな自分」を自己分析している時間があったら、練習することです。プロになれるだけの技量を身につけることです。就職も同じです。いくら「この会社に入りたい。自分はこういう仕事が好きで、またこの仕事は向いていると思います」と言っても、その仕事をするだけの能力がなければ企業は採用してくれません。「自分探し」だけではダメなのです。「自分探し」は「自分作り」と対になって初めて意味を持つのですし、「自分作り」がなければ本来の就職活動とはいえません。ところが、この「自分作り」を、現在の就活は置き去りにしています。「自分探し」に偏重し、もっと重要な「自分作り」がされていない。ここに日本の就活が抱える最大の問題があります。